金属アレルギーとその対策。
-
日常の1コマ。
- 2017.03.08
こんにちは!鎌倉市由比ガ浜のジュエリー工房、ワークスタジオ瑠花です。
早春とはいえ、寒さの続く毎日ですね。陽の当たらない時間になると気温も急降下。寒さが腰に来ます・・・。
そんな寒さと共に苦しめられる「花粉症」。
いまや代表的なアレルギー症状ですが、ジュエリー業界で働く人達はアレルギー問題と密接に関わります。
プロとしてジュエリーを販売・制作をする際に受験する「ジュエリーコーディネーター試験」や、
「宝飾技能士検定」の試験にも必ず出題される金属アレルギーの仕組み。(代表もさんざん勉強しました)
今宵はジュエリー制作側から『金属アレルギー』とその対策について少し語ってみます。
***
まずは基本知識。
金属は水に溶けないが、肌に密着させている際「汗」や「傷口」による塩分を含んだ体液によって
ものすごく小さなイオンとして溶け出し、肌に入り込みます。
これを体が「ヤバイ!変なタンパク質が侵入した!追い出さなきゃ」と拒絶して炎症などを起こします。
しかも一度収まっても体がそれを記憶しているため、
再び金属に触れると「ヤベー!またキター」とすぐ反応してしまうのです。厄介ですね。
そして皮膚科のお医者さん曰く、金属アレルギーは年々増えているそうです。
研究によって「アレルギーを起こしやすい金属」が解かりつつある反面、質の悪いジュエリーが増え、
ただでさえ花粉症などで敏感になった日本人の肌で発症しやすい現状となっているようです。
なのでジュエリーを作る側も「毎日身に付けるモノ」ならば肌のことを考えて素材を選ぶ必要があります。
***
次にジュエリーの素材ごとに解説してみます。
【シルバー】
じつは銀そのものはアレルギーをほとんど起こしません。銀歯に使うくらいなので、
かなり昔から実証されている貴金属です。では反応を起こしているのは何か?
それは強度を高めるため銀に混ざっている「銅」。
さらに変色を防ぐためのメッキに含まれる「ニッケル」や「クロム」。
海外のものは銀の純度もアヤシイものが多いので、ピアスなどは特に注意です。
純度の高いもの、メッキがないもの、ニッケルフリーのメッキを使用しているものを選ぶと良いかも☆
【ゴールド】
こちらも比較的アレルギーを起こす可能性は低いですが、
銅の含有量が多い10金・14金や、ピンクゴールドは少し警戒が必要です。
溶接に使用するロウ材もですが18金以上の純度なら肌にも優しいと言えます。
水銀にアレルギーがある方は金でも反応が出てしまうようです。
注意すべきはホワイトゴールド。これには2種あり、
「パラジウム」の混ざるものと、「ニッケル」の混ざるものがあります。
パラジウムのほうはアレルギー反応が少なく、光沢も美しいですが他のゴールドより高価になります。
ニッケルのほうは非常に安価ですが肌に悪く、ジュエリーに使用する際は使用者への説明が義務となります。
ホワイトなのに価格が変わらない、もしくは安い、といった商品は「何が混ざっているか?」と要注意。
【プラチナ】
結婚指輪の定番といわれるだけあり、美しさと共にアレルギー反応も少ない優秀なマテリアル。
純度が高いほどリスクも低くなるので、一生モノの結婚指輪には「プラチナ950」が人気です。
瑠花でも制作体験やファッション用には「プラチナ900」、
婚約指輪・結婚指輪には「プラチナ950(ハード)」を推奨しています。
見た目では解かりませんが、プラチナの配合やロウ材もお店によって違うので
きちんと素材の中身を説明してくれると安心ですね。
はたして大事なのは価格なのか、素材の良さなのかも購入のポイントでしょうね。
【真鍮】
お客様によく質問される素材なので、真鍮(しんちゅう)も挙げておきます。
これは5円玉硬貨と近い素材であり、銅と亜鉛の合金です。
銅もさることながら、亜鉛はアレルギーの原因となる物質としてスズや水銀と肩を並べます。
かつてコレを飲んでしまった子供がアレルギーショックで亡くなられた、とも聞いたことがあります。
瑠花では刻印の練習に使用するくらいで、商品には使用しません。
身に付ける貴金属として選ばれていない素材なので、ジュエリーには使用しませんが
アレルギー反応の出ないよう特殊な配合にする作家さんもおり、アンティークの風味を再現する努力が伝わります。
***
金属アレルギーへの対策とは?
瑠花で使用する貴金属は「美しさ」と共に「アレルギー」のことも念頭に代表がこだわっています。
純度を高める、原因となる物質を減らす、きちんと磨く&洗浄する。
ということはもちろんですが、残念ながら可能性がゼロになる訳ではありません。
「究極に敏感肌で困ってます!でも指輪がつけたい!」という方は、とりあえず代表にご相談下さい。
たとえばその対策とは・・・
【チタン素材】を使用する。
チタンやステンレスといった素材はアレルギーを起こさない金属です。
しかし溶接ができないため、サイズ直しやパーツ溶接ができないので正直ジュエリーには不向き?
でも削ったり磨いたりは可能(大変ですが)なので、特注でご用意できることも。
【コーティング】
これはオプションサービスとして近々登場するジュエリーのコーティング。
変色防止はもちろん、アレルギー対策にも微力ながら効果が望めるものです。
天然の「木の実」から採れる成分で、クロス等で研磨しなければ半年間は効果が続きます。
ネーミングを考え中なのですが・・・ルカコート? ルカバリア?? ルカプロテクト???
そして瑠花にはエステのBLUEさんや、アロマの先生など
肌や体の専門家さんもいらっしゃいます。
金属アレルギーはもちろん、ジュエリーを通していろいろな発見があるといいですね。
そして代表の内野、業界初のさらなるコーティングを研究中です。
『理論的には可能』と息巻いて、神戸のとある会社と開発を進めています。
すべてを跳ね返すこのコート。いずれまたご報告いたします!
*鎌倉でジュエリー制作体験*
★ワークスタジオ瑠花★
鎌倉市由比ガ浜1-1-10
0467-37-6336
OPEN:10:00-19:00 月休
mail@works-luca.jp
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